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2004.05.24

スペシャリストの帽子(ケリー・リンク)


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「スペシャリストの帽子」
ケリー・リンク 著、金子ゆき子・佐田千織 訳、ハヤカワFT文庫 刊

起きぬけのぼんやりした頭で夢の名残りを反芻しているような読後感の短篇集でした。

自分と他人、現実と幻想、生者と死者、過去と現在。
それぞれの領域をとりとめもなく行ったりきたりしているようで、どこか筋が通ったものがある印象の物語集。
どの作品もすっきりしたオチではないのでわかりにくいのですが、そのわからない部分がかえって魅力的に思えました。文章の中では声高に語られない寂しさや喪失感の描き方も好み。
収録作の中で気に入っているのは、「スペシャリストの帽子」、「飛行訓練」、「雪の女王と旅して」、「人間消滅」。
特に好きなのが「飛行訓練」です。
モティーフにギリシア神話が使われたラヴストーリー(それだけではないのですけれども)。
冒頭のリズミカルな語り口と、肩すかしなようで妙に納得のいくラストも好き。
読んでいてニール・ゲイマンの「ネバーウェア」を思い出したのは、ロンドンの地下鉄が別世界につながっていると示唆されているからなのかな。

まさか、お初の作家をこんなに気に入ると思いませんでしたよ。
次回作が出たらまたこのレーベルで翻訳されるといいなと思ってますー。

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2004.05.22

「犬は勘定に入れません」引用・参考文献メモ

「犬は勘定に入れません あるいは、消えたヴィクトリア朝花瓶の謎」
(コニー・ウィリス 著、大森望 訳、早川書房 刊)の引用・関連文献のメモ。
主に大森望さんの訳注から拾いました。
気になる箇所をその都度調べるのが面倒なので(笑)自分用にリストアップ。
適当に増えたり変更したりするかと思います。

■コニー・ウィリス■
「ドゥームズデイ・ブック」上 
必読書と云う事で。

■ジェローム・K・ジェローム■
「ボートの三人男」
これは「犬」より先に読んでおいたほうが良いかと。小ネタで笑えること受け合いです。

■ドロシー・L・セイヤーズ■
「毒を食らわば」
降霊会と手紙の書き方はこちらの作品のパロディだと思います。
「学寮祭の夜」
ヴェリティが引用してますね。
いっちばん肝心な所が引用されてます(笑)。
ピーター卿とハリエットのロマンスをきちんと楽しみたい方は「毒を食らわば」「死体をどうぞ」「学寮祭の夜」の順でお読み下さい。

■アガサ・クリスティ■
「シタフォードの秘密」
降霊会つながり?

■ウィルキー・コリンズ■
「月長石」
引用で思い切りネタバレしています(笑)。

■コナン・ドイル■
「シャーロック・ホームズの思い出」『白銀号事件』

■ルイス・キャロル■
「不思議の国のアリス」

■ケネス・グレアム■
「たのしい川べ」

■シェイクスピア■
「マクベス」
「ヴェニスの商人」
「十二夜」
「じゃじゃ馬ならし」
「ロミオとジュリエット」

■アルフレッド・テニスン■
「テニスン詩集」
テレンス君がさかんに引用してますな。

■マザー・グース■
「ジャックが たてた いえにあった こむぎをたべた ねずみをころした ねこをいじめた…」(『犬』7章冒頭の引用文。P132)
「これはジャックのたてたいえ」からの引用。谷川俊太郎訳「マザー・グース」1(講談社文庫)に収録(P116~121)。
「くぎがふそくで ていてつうてず…」(『犬』P135 での引用)
講談社文庫「マザー・グース」3に収録(P35)。
■古典作品■
「失楽園」(ミルトン)
「オデュッセイア」(ホメロス)
「告白」(聖アウグスティヌス)

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2004.05.13

家守綺譚 山本周五郎賞ノミネート

梨木香歩さんの「家守綺譚」が第17回山本周五郎賞にノミネートされています。

他のノミネート作品は
「ZOO」 乙一
「クライマーズ・ハイ」 横山秀夫
「接近」古処誠二
「邂逅の森」 熊谷達也

あらすじを読む限りではどの作品も面白そうなのですが、梨木ファンとしましてはやはり「家守綺譚」に取って貰いたいたいなぁと思っております。取れるといいなぁ!
発表は小説新潮7月号にて。6月22日発売予定です。
選評を読む為だけに購入しようと思ってますよ(笑)。

詳細は新潮社のサイトでどうぞ。
こちらから。

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2004.05.10

世界の涯の物語(ロード・ダンセイニ)に関しての覚書

「世界の涯の物語」
(ロード・ダンセイニ 著、河出文庫 刊)と「妖精族のむすめ」(荒俣宏 訳、ちくま文庫 刊)の重複作品のメモ。
括弧内はちくま版タイトルです。

「ケンタウロスの花嫁」
(「ケンタウルスの花嫁」)
「宝石屋サンゴブリンド、並びに彼を見舞った凶運にまつわる悲惨な物語」
(「宝石屋サンゴブリンドの平穏ならざる物語とかれにくだされた運命」)
「三人の文士に降りかかった有り得べき冒険」
(「三人の文士にふりかかった有り得べき冒険」)
「女王の涙をもとめて」
(「女王の涙をもとめて」)
「彼はいかにして予言の告げたごとく<絶無の都>へいたったのか」
(「かれはいかにして予言の告げたごとく有り得べからざる都市に至ったか」)
「老門番の話」
(「老門番の話」)
「赤道の話」
(「赤道の話」)

思っていたよりもダブリは少なかったのですね。
両方お持ちの方は読み比べてみると楽しいかと。

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