帝国の娘(須賀しのぶ)
『帝国の娘』前編・後編
須賀しのぶ 著、集英社コバルト文庫 刊
猟師の娘として育った十四歳の少女カリエ。
エディアルドと名乗る男に攫われた彼女は、重病の皇子アルゼウスの身代わりとして次期皇帝の地位を三人の皇子と争う事になる…。
「流血女神伝」開幕篇。
十四歳の少女が主人公なのに、彼女を襲う運命がこんなに苛酷でいいのか?と思いつつもページをめくらせる手が止まりませんでした。面白かった!
腐敗が進んだルトヴィア帝国内部で権力争いに巻き込まれた少女を主人公に、彼女を取り巻く人々や状況を骨太に描いていて、舞台となる国にしても登場人物にしても興味がどんどん広がっていきます。展開が早いのに登場人物の心理描写が丁寧で、物語が立体的に紡ぎだされている所も著者の筆力の凄さだな、と感嘆。
カリエだけでなく、登場人物の殆どがままならない運命に歯噛みしているような状態なのですが、それぞれが誇り高く自分の進むべき道を顔を上げて進んでいこうとする様子がとても好ましかったです。
久し振りに夢中になれるシリーズと出会えました。まだまだ物語は始まったばかりで先は長いのですけれど、続きを読むのが楽しみでたまりません。




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