ライトノベル☆めった斬り!(大森望・三村美衣)
『ライトノベル☆めった斬り!』
大森望・三村美衣 著、太田出版 刊
「ライトノベル」のジャンルに入る作品にはこのところ殆ど縁がありません。
面白そうだなと感じる作品はかなりあるのですが、なんとなく敷居が高い(自分の年齢が・笑)もので、特定の作家以外は手を出しかねておりました。
そういった意識の低い読者がこのような本を読んでもいいものだろうか…と思わないではなかったのですが、現在の人気作品だけでなく、自分がリアルタイムで楽しんでいた作品にかなりのページ数が割かれていたので購入。現在、ジャンルとして勢いのあるライトノベルも一日にしてなった訳ではないことが読んでみてよくわかりました。
ライトノベル(及びその出版界)の通史部分と書評部分が対談形式で語られていて楽しめました。おふたりともこのジャンルの第一人者だけあって、対談部分の熱さ(ヲタク語り?笑)は素晴らしいの一言に尽きますね。SF部分の語りが詳細なのはおふたりの経歴を見ればわかりますが、BLまでしっかり把握している大森さんには脱帽。
細かい所では、『星の海のミッキー』(ヴォンダ・マッキンタイア)の翻訳タイトルの元ネタが「丘みき」だったとわかったのは思いもかけない収穫でした(ずっと気になっていたので)。角川お家騒動に関しても言及があって勉強になりました。やはり傑出した存在だったのですね、角川春樹氏って(良くも悪くも)。
この中で語られなかった部分をこれから語る人々が出てくるだろうと云う点でも、この本を出版した意義は大きいと思います。ライトノベル評の基礎固めとなる本と云っても過言ではないかと。
個人的にはライトノベルFT系作品の通史及びブックガイドのような本が出てくれないものかと思っていますがはてさて。「帝都物語」と「陰陽師」、安部晴明ブームがライトノベルにもたらした影響なんかにも興味があるんですが、どなたかまとめては下さらぬものか。
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