天気晴朗なれど波高し。(須賀しのぶ)
『天気晴朗なれど波高し。』
須賀しのぶ 著、集英社コバルト文庫 刊
名門ギアス家の三男として生まれたランゾットは小説家志望だが、不本意ながら海軍への入隊が決まっていた。出発前夜、酒場で陸軍との喧嘩騒ぎに巻き込まれた彼は、同じ艦に乗ると云う士官候補生トルヴァン・コーアと出会う…。
飄々として得体の知れないギアス海佐の若かりし頃の話ってんで、一体どんな話になるのやらと訝しんでおったのですが、なかなかどうして真っ当な青春小説じゃございませんか! かえってびっくりしましたよ…。
乱暴な要約をするのであれば、渋々ながら海軍に入隊した青年が波乱含みの(波乱まみれの?)初航海を経て、自分の歩く道を見出す話って所でしょうか。年上の女性への淡い恋心、海軍生活の活き活きとした描写、軍船という閉じられた空間での人間模様そして陰謀などなど、1冊の中に様々な要素が詰め込まれております。著者のテンポの良い筆致に乗せられて楽しく読ませて戴きました。それにしても、17歳であの達観振りはやはりと云うか流石と云うか。入隊する前から引退の事を考えてる士官候補生ってさぁ!(笑)
勿論若き日のトルハーンも活躍しています。底抜けに明るいかと思いきや、様々な苦難を乗り越えてきた横顔も垣間見せてくれたりして。ランゾットとコーア、ふたりのかけあい漫才…もとい篤き友情(笑)も見所です。



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