暗き神の鎖(須賀しのぶ)
『暗き神の鎖』前・中・後編
須賀しのぶ 著、集英社コバルト文庫 刊
天真爛漫だったカリエにも背負うものや守らなくてはならないものが出来て、話にますます重みと深みが増しましたね。そして彼女を脅かす存在が物語にさらに影を落とします。リウジールがカリエを追い詰めていく辺りは読みながら自分までぞくりとしていましたが、ザカールの中でも異質な彼の言動にも理由があり、単なる敵役に終らず魅力的なキャラクターに書き込まれていたと思います。とても印象的でした。
今回は暗い・重い・痛い(精神面も肉体面も)の三拍子揃ったお話で、もう後編は読み進めるのがつらかった……。登場人物の殆どが大変な事になりましたし。まあ、お笑い担当(?)トルハーンとイーダル王子のお蔭でちょっとは息がつけましたけども。サルベーンとエディアルドのコスプレ(変装)にも脱力(爆笑)。ああいった状況でも笑いをさしはさむ余裕のある著者に完敗ですよ。
サルベーンと云えば、『女神の花嫁』(→感想)を読んで評価が上昇してまた下降したのですが、今回彼が取った行動には素直に拍手喝采。見直したよサルベーン!
次でいよいよ終了なのだそうですけれど、ああこの続きは一体どうなるんだ!と今から気になって仕方がありません。エティカヤ(とバルアン)はえらいことになりそうだし、ユリ・スカナも大変なようだし、おそらくこの流れでルトヴィア動乱が始まるのかな。カリエの人生もまだまだ落ち着かずに流転する模様。果たして波瀾万丈はどこまで続くのか?
続きが早く読みたくてたまらない一方で、ずっと終って欲しくない複雑な気分です。あと10冊くらいは続いてくれると嬉しいんだけどなぁ(笑)。


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