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2005.03.27

プリーストリー氏の問題(A・B・コックス)

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『プリーストリー氏の問題』
A・B・コックス 著、小林晋 訳、晶文社 刊

著者名が略してA・B・Cだってよ、イカしてる~!(笑)と心惹かれて図書館から借りてきました。

冴えないながらも心安らかに平穏な暮らしを営んでいた独身紳士プリーストリー氏。
しかし、婚約したての友人(テンション高め)から「君はキャベツか! この蕪野郎! ペポカボチャのカタツムリ野郎だ!」「旅に出ろ! 恋をしろ! 冒険だ!」とまくしたてられるに至って、温厚な彼も自分の生活に少々疑問を持ち始める。そして運命の日、ピカデリーで可憐な美女に助けを求められたプリーストリー氏の生活は手に汗握る冒険の日々へと華麗に(?)変化するのだったが……。

テンポ良い会話とぽんぽん進む物語の展開がおっかしくてたまりません。古くて品の良いコメディ映画を観ているような心地良さが最高。シチュエーションも絶妙で素晴らしい!
一番好きなやりとりは以下のネズビット夫妻の会話。自分の夫とその友人が始めた犯罪学の実験が思いもかけない大事件になってしまった事を嘆くミセス・ネズビット。それに対するネズビット氏の答えはと云えば。(P167より引用)

「ねえ、愛しのきみ」ガイが穏やかに言った。「きみはこの事件を考え違いしているよ」
「どんな考え方をしようとも、この事件を受け入れる気にはなれないわ」愛しのきみは言い返した。
「あなたがこの企みを実行した時、いったい私は何を考えていたのかしら。きっと分別を失っていたんだわ」
「きみは確かに事前従犯者だな。でも、それを言うなら、ぼくたち全員が分別を失っていた。それは非常に良いことでもある。分別の最大の長所は、時々それを失うことができるということだからね。ほら、これで人生がどれほど興味深いものになったことか」
「ま、あなたが監獄の中の人生を興味深いと思うことを願うわ。わたしには無理ね。だって、真相がばれたら、わたしたちは確実に監獄行きよ」
「ぼくはこれまで監獄に入ったことがない」ガイが考え込むように言った。「この怠慢は是正しなければならない。誰もが一度は監獄に入るべきだ。うん、監獄はとても興味深い場所だろうな。もちろん、あの服は別だ。しかし、槇肌作りをし、太鏃マークだか何かの付いた服を着ていたって、きみは完璧に魅力的だと思うな」
「ガイ」妻はしみじみと言った。「ときどき、あなたと結婚しなければよかったと思いそうになることがあるわ」

わはは。大好きだこの微妙に(全然?)噛み合ってないやりとり! 
映画や芝居でこの丁々発止のやりとりを観てみたいものですなぁ。
活き活きと犯罪学の実験に情熱を傾けるガイとパット、流されてしぶしぶながらも彼らに加担してしまうジョージ(でも数に入ってない。彼はおそらく学生時代もガイの悪だくみの共犯にされていたんじゃなかろうか・笑)、おっとりしたお人好しに見えて実はなかなかしたたかなプリーストリー氏と、男性陣の可愛らしさが引き立っていますが、名実ともに最強なのはやはりミセス・ネズビットでしょうか。彼女の微笑み光線に勝てる者はいないと見えますよ。

ところでペポカボチャってどんなものなんですか。気になるなー(笑)。

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