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2007.02.14

霊応ゲーム (パトリック・レドモンド)

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『霊応ゲーム』
パトリック・レドモンド 著 広瀬順弘 訳 早川書房 刊

1999年、ロンドン。
45年前に起きた「カークストン・アベイ事件」の謎を追っている野心家のジャーナリストのティムは、ひとりの男を招いていた。事件の当事者だったその男はティムの説得に促されるようにして事件の全貌を語り始める。

1954年、ノーフォーク。
全寮制のパブリック・スクール、カークストン・アベイ校の4年生ジョナサン・パーマーは同級生のジェームズやラテン語教師のアッカーリーから執拗ないじめを受けていた。
そんな彼の窮地を救ったのが周囲から孤立しながらも優秀な生徒のリチャードだった。リチャードに心酔したジョナサンは彼との友情を結んだが、リチャードを自分の仲間に引き入れようとしていたジェームズは、ジョナサンに対してのいじめをより苛酷なものにしていく。
そして、リチャードとジョナサンが親密になるにつれて学園内では次々に奇怪で悲惨な事件が起き、生徒や教師たちが犠牲になっていく……。

登場人物のそれぞれが持つ暗部を緻密にえぐっていく為、読めば読むほど陰鬱~な気持ちになるんですが、続きが気になってたまらないのでページをめくらずにはいられないと云う二重の意味で厭な本でございました(苦笑)。事件の関係者の殆どすべてが悲惨な目にあっているのがもう読んでいていたたまれせんでしたし。いじめに関わっている人物たちは勿論ですが、切迫している状況を何とかしようと奮闘する善意の人々も等しく事件の渦中に放り込まれてしまいます。しかも人間心理の黒々した部分を見せつけられて毒気に当てられてしまいましたよ……。
友情で始まった筈のリチャードとジョナサンの関係は、ふたりが始めた「ゲーム」によって束縛する者とされる者へ変わっていきます。リチャードの影響力は次第にジョナサンをがんじがらめにしていくのですが、ジョナサンはリチャードから逃れることができるのかというサスペンスを追いつつ、リチャードの両親にまつわる秘密、ジョナサンが慕っていた上級生ポールの死の理由、アッカーリー夫妻の間に影を落とす過去、ハワード校長の隠し事、冒頭のティムのパートで少しだけ触れられていた「証人の二人の少年」は関係者のうちで誰と誰なのか(ひとりについては予想通りでしたがもうひとりははずれました)、と様々な謎が散りばめられているので情容赦無い筆致に震え上がりながらも構成の巧妙さと語りの魅力に引きずられて二日で読了してしまいました。最後のひとひねりも見事!

生徒たちを中心にして教師をはじめとする大人たちの視点も入れつつ多面的に学校生活を描いた作品で、サスペンスとホラーが巧みに融合している作品でもあるので、閉塞した環境で人が追い詰められていく過程を垣間見てみたい方は是非どうぞ。
ただし後味は非常に悪いんでお覚悟をば。


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霊応ゲームposted with 簡単リンクくん at 2007. 2.14パトリック・レドモンド著 / 広瀬 順弘訳早川書房 (2000.2)この本は現在お取り扱いできません。オンライン書店ビーケーワンで詳細を見る 感想はこちら。 返... [Read More]

Tracked on 2007.02.17 at 10:09 PM

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