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2007.04.03

天山の巫女ソニン 1 黄金の燕 (菅野雪虫)

天山の巫女ソニン 1 金の燕 画像クリックでamaozonへ

『天山の巫女ソニン 1 黄金の燕』
菅野雪虫 著 講談社 刊


赤ん坊の頃に巫女となるべく天山に引き取られたソニンは、十二年間の修行の後に巫女としての素質がないことがわかって里に帰される。家族との再会も束の間、ある出来事から沙維(サイ)の国の七番目の王子の侍女として城に召されることになり、そこで思わぬ陰謀に巻き込まれるが……。

半島部分に三つの国があるってな設定で三国時代の朝鮮半島(新羅と高句麗と百済が並立していた時期あたり)を連想しましたが、仙人が存在している世界なので中華風ファンタジーになるのでしょうか。
書きようによっては重苦しい話になりそうなんですが、全体的に軽めと云うかだいぶ薄味な印象でした。
ソニンに関しては内面描写があまりにもあっさりし過ぎに思えましたし、彼女は良くも悪くもとても素直なので、その辺りもけっこう物足りなくて。巫女の教育課程であまり感情的にならないように躾けられているせいもあるんですけど、もうちょっと彼女の個性を前面にしても良いんじゃないかなぁ(何事においても素直なのが個性なのかもしれませんけど )。
登場人物の関係についてもちょっと物足りない部分が多かったです。特に、ソニンが仕えることになるイウォル王子との信頼関係はもうちょっとページを割いて描いて欲しかった!
イウォル王子がソニンに対して特別な気持ちを抱く理由(恋愛感情ではありません)は勿論あるんですが、なにかもうひとつくらいふたりの間の絆を強める出来事があれば王子と一緒にソニンに入れ込めたんですけどね。
家族や友達のミン(祭りのエピソードと別れのシーンが凄く良かった!)との関係の描き方はとても良かっただけにちょっと残念。

あと、ページ数の割に色々なエピソードを盛り込みすぎているような印象でした。
北の強国の巨山(コザン)、海の民を擁する江南(カンナム)、両国に挟まれた豊かな土地を持つ沙維(サイ)。この三国間の国際問題や沙維の国を揺るがそうとする陰謀とファンタジー的な部分が微妙に噛み合っていないためなのか、盛り上がるべき所もさらっと流れてしまっているようでどのエピソードも散漫になってしまったような。
個人的にはファンタジー的な部分の盛り上がりを大いに期待していたもので、その点が喰い足りないと申しますか……。政治的な話は背景にとどめておいて次巻につなげて欲しかったです(何様か)。

神がかり的な要素だけでなく情報収集と分析能力も必要とされる巫女の<夢見>の能力はひねりが入っていて面白かったです。巫女の世界についてはもっと知りたいんですが、この先も言及があるのかどうか。

次巻の舞台は今回のラストの方で縁が出来た江南の国へ移るようです。
ソニンやイウォル王子の成長や、三つの国の関わりはどのように変化していくのかが楽しみ。
続きも読みたいと思います。


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Tracked on 2007.04.10 at 11:28 PM

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