マリナー氏の冒険譚 (P・G・ウッドハウス)
『マリナー氏の冒険譚 』
P・G・ウッドハウス 著 岩永 正勝 ・小山 太一 訳 文藝春秋 刊
ウッドハウス選集 の3巻目。
帯によりますと、続刊が決定したそうです。やった!
こちらのシリーズの装幀はとってもキュートなので、次回作のデザインも楽しみです~。
ジーヴスものや『エムズワース卿の受難録』(→感想)ほどのインパクトはございませんでしたが、やはりウッドハウスの作品だけあって安心して楽しめますね。
釣遊亭(アングラーズ・レスト)のバー・パーラーで、紳士マリナー氏が親類縁者の遭遇した事件を巧みな話術で語っていく構成になっています。
弟や甥の強烈な体験談にはくすくす笑ってみたりハラハラしてみたりと楽しませてもらいましたが、マリナー氏自身が経験した冒険譚がないのがちょっと物足りないかな。実はタイトルからマリナー氏の武勇伝が披露される短篇集を想像していたもので。
特に気に入っているのは吃音に悩むマリナー氏の甥ジョージが共通の趣味(クロスワードパズル)を持つ意中の女性スーザン・ブレイク嬢へ愛を語るために吃音を直そうと涙ぐましくもおかしい努力を繰り広げる「ジョージの真相」、ミステリ狂の甥のシリルが愛するアミーリア嬢と結婚する為に彼女の母親を狡猾に(?)攻略する「ストリキーネ・イン・ザ・スープ」(これも共通の趣味を持つ恋人同士の話だな)。
様々な男性を翻弄するウィッカム嬢は、『でかした、ジーヴス』(→感想)に出てきたロバータ(ボビー)・ウィッカム嬢と同一人物なんですよね。
いやー、今回の活躍も凄かったですよウィッカム嬢。災厄の女王に相応しい誠に素晴らしき仕事っぷりでございますってぇか、被害者はバーティだけじゃなかったのな!(笑)
ところで、気弱な紳士たちの窮地を救いまくる(?)《マリナー印バック-U-アッポ》(※マリナー氏の弟ウィルフレッドが発明した強壮薬)の効果は本当に絶大な模様なんですが、禁断症状とか依存性とかないのかなぁ~とちょいと疑問。
まぁ、常用している甥のオーガスティンには特に問題がないみたいだから大丈夫なんでしょうけどね。でも、Bタイプの用法用量についてはちょっと不安を抱かずにはいられませんよ?(笑)
それにしてもマリナー一族の家系図が欲しいなぁ……。
親戚一同がどこでどう血が繋がってるのか読んでるだけではわからないんですよねぇ~。
因みにウィッカム嬢はマリナー氏の従妹の娘になるそうです(※「にゅるにょろ」参照のこと)。



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