« ずっとお城で暮らしてる (シャーリイ・ジャクスン) | Main | 本泥棒 (マークース・ズーサック) »

2007.09.04

ジーヴスと朝のよろこび (P・G・ウッドハウス)

ジーヴスと朝のよろこび

『ジーヴスと朝のよろこび』
P・G・ウッドハウス 著 森村たまき 訳 国書刊行会 刊


英国ハンプシャー随一の風光明媚な集落スティープル・バンプレイ。
そこで我らが愛すべき若紳士バーティ・ウースターを襲った惨劇とは。
泥沼なトラブルに(またもや)翻弄される彼は果たしてどうなるのか。
そして、イースト・ウィブレイ・タウン・ホールで運命の仮装舞踏会の幕が開けられる……!


ってアオリを入れるまでもなく、いつもと同じように友人たちの婚約問題に強引に一肌脱がされたり、自らも婚約の危機に晒されたりしてるんですけどね。 でも、その危機に関してはバーティのいらん見栄が遠因でもあるので同情点は少なめですよ。バーティの癖にスピノザを読むなんて見栄を張るなんざ言語道断だし!(←そこまで云わなくても)
そんなこんなで、美しい横顔とアホを教え導くことに情熱を燃やす啓蒙精神を持つフローレンス・クレイ嬢との再婚約から果たしてバーティーは逃れられるのか?
バーティの危機にジーヴスはどう立ち向かうのか(つか立ち向かう気はあるのか)?
ボコ・フィトルワースとゼノビア(ノビー)・ホップウッド嬢との婚約をパーシー伯父さんに認めさせる秘策はあるのか?
クレイ嬢との親密な関係を粉砕することに絶大な効果を発揮する「フィトルワース・メソッド」の効果とは?
カボチャ顔のダーシー・チーズライトはクレイ嬢とよりを戻せるのか?
英米両国の海運王同士の密談は成功なるか?
ってあたりが本作品の肝でしょうか(多過ぎ)。例によって問題山積みてんこ盛りであります。
クライマックスでの華やか(?)な仮装舞踏会でのパーシー伯父さんとバーティの仮装は絶妙でしたが(色々な意味で)、今回はジーヴスの活躍が少なめなのがちと残念でした。自分が釣りに行きたいからってバーティを鬼門な場所に連れ出しておいて、最後のアレってどうなのさホントに(笑)。オチとしては盛り上がったから結果オーライかもしれませぬが。
続刊の刊行も決まったそうなので、ジーヴスの大活躍は次回以降にまた期待致しましょう。


しかし戦時中に書かれたとは思えないほどのてんやわんやで呑気な内容ですな……。
激しい困難も作家の中の想像力を抑えることはできなかったんですね。


|

« ずっとお城で暮らしてる (シャーリイ・ジャクスン) | Main | 本泥棒 (マークース・ズーサック) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/7232/16336021

Listed below are links to weblogs that reference ジーヴスと朝のよろこび (P・G・ウッドハウス):

» 読了本メモ [日々雑景]
ジーヴスと朝のよろこび 英国ハンプシャー随一の風光明媚な集落スティープル・バンプレイ。 そこで我らが愛すべき若紳士バーティ・ウースターを襲った惨劇とは……!! ってアオリを入れるまでもなく、いつもと... [Read More]

Tracked on 2007.09.11 at 01:44 PM

« ずっとお城で暮らしてる (シャーリイ・ジャクスン) | Main | 本泥棒 (マークース・ズーサック) »