魔使いの弟子 ・ 魔使いの呪い(ジョゼフ・ディレイニー)
『魔使いの弟子』
『魔使いの呪い』
ジョゼフ・ディレイニー 著 金原瑞人・田中亜希子 訳 創元ブックランド 刊
七番目の息子のそのまた七番目の息子トムが弟子入りすることになったのは、悪さをする魔物や魔女たちから人々を守る「魔使い」だった。
……と書くと何やら派手な魔法や魔術を使って魔物の類を退治したりしそうに思えますが、自らの経験と学んだ知識(あとはいくらかの才能とか体質とか生まれとか)を駆使して魔物を封じるかなり地道な仕事です。
現場でこつこつと経験を積み、成功や失敗から様々なことを学んでいくって感じかな。仕事を学ぶと云うことが描かれているのと、主人公のトムがきちんと自分で考えて様々な問題に取り組んでいく点が良いと思います。
女性の描き方にはちょっと(かなり)ひっかかるところがあるんですけど、概ね面白かったです。
魔使いとしてのトムはこれからまだまだたくさんの修行と師匠の教えが必要なようですが、悪とも善とも云い切れない不思議な存在の少女アリスとの関係も含めて将来が楽しみ。
続く2冊目は、
ジョン・グレゴリーに弟子入りしてから半年が経ち、半人前ながらも日々仕事を学び続けているトムだったが、高熱に倒れた師の代わりに人裂き魔(リッパー)と呼ばれる凶悪なボガートを封じることになり……。
トムの正式な初仕事と、師匠の過去にトムの両親の過去、アリスとの再会、強大な力を持つ敵対者との戦い。
こう書き出してみると、成長物のファンタジーによくあるタイプの話に思えます。しかし、ここに女性が持つ変則的な役割を加えるとなにやら話が複雑な方に流れ出して行くのですよ。
前回同様、アリスはトムを窮地に追い込むような行動ばかりを取るのですけれど、窮地に陥ったトムを救うのもまたアリスなのです。
闇に染まった存在イコール完全な悪って訳でもないのが面白いです。
このシリーズの舞台となる社会では女性の存在にかなりの偏見(蔑視に近い部分もあり)が持たれていますが、著者はその偏見を女性を多面的に描くために使っているようですね。
今後の展開も男女の関係性が鍵になっていくのかも。
ジョン・グレゴリーと魔女メグ、エミリー・バーンズの関係については次巻以降に詳しく言及があるのかな。
そのあたりに期待しています。










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