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2008.02.09

猫とともに去りぬ (ジャンニ・ロダーリ)

猫とともに去りぬ (光文社古典新訳文庫)

『猫とともに去りぬ』
ジャンニ・ロダーリ 著 関口英子 訳 光文社古典新訳文庫 刊


イタリアの作家ロダーリの短篇集。
収録作品は以下の通り。

「猫とともに去りぬ」
「社長と会計係 あるいは自動車とバイオリンと路面電車 」
「チヴィタヴェッキアの郵便配達人」
「ヴェネツィアを救え あるいは魚になるのがいちばんだ 」
「恋するバイカー」
「ピアノ・ビルと消えたかかし」
「ガリバルディ橋の釣り人」
「箱入りの世界」
「ヴィーナスグリーンの瞳のミス・スペースユニバース」
「お喋り人形」
「ヴェネツィアの謎 あるいはハトがオレンジジュースを嫌いなわけ」
「マンブレッティ社長ご自慢の庭 」
「カルちゃん、カルロ、カルちゃん あるいは赤ん坊の悪い癖を矯正するには…」
「ピサの斜塔をめぐるおかしな出来事」
「ベファーナ論」
「三人の女神が紡ぐのは、誰の糸?」


おじいちゃんが猫になってしまったり、ヴェネツィアを救う為に家族ぐるみで魚になってみたり、自分のバイクを愛するあまり「彼女」と結婚しようと決心したり、宇宙人がピサの斜塔を賞品として奪いに来たりと、ユーモア溢れるナンセンス寄りの作品が収められています。突飛なようでいて人生の苦味を感じさせる寓話的なものもあり、なかなか奥が深いです。
個人的に気に入っているのは、ピアノ演奏を武器に(好きな作曲家はバッハ)横暴保安官と闘う孤高のカウボーイ、オリオロのビルがかかし連続消失事件の謎に挑む「ピアノ・ビルと消えたかかし」 。彼の美学ある闘い振りとラストのハードボイルドさが素晴らしいですよ!(笑)
あと、余命わずかとなったテッサリア王アドメドスが運命を変えようとする試みを描いた「三人の女神が紡ぐのは、誰の糸?」は、オチの微妙ながっかりさ加減が秀逸でした。読み終わった後にあの場にいた皆と一緒になってあらぬ方を眺めやりながら「あーあ……」って云いたくなっちゃう気分になりました。
悪気はまったく無いけど周囲のお膳立てを全部ひっくり返しちゃう間の悪い人っていますよね。良かれと思ってやってるんだけどねぇ……(溜息)。

日常と非日常の境界を軽やかに飛び越える(または行ったり来たりする)鮮やかさがあるので、違った角度から物事を眺めてみたいような時に読むと目を開かされることが多いかもしれません。
一度に全部読むよりは昼休みとか寝る前などに少しずつ読む方が楽しめるかな。
難しいことや堅苦しい考え方を取っ払って柔らかい思考でどうぞ!

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Comments

突然おじゃまいたします。フリーエディターの飯田と申します。2009年4月に、ロダーリの作品が出版されます。私が20年ほど温めてきた企画です。タイトルは『パパの電話を待ちながら』(講談社刊)といいます。もし機会がございましたらお手に取ってみてください。取り急ぎお知らせまで。

Posted by: 飯田陽子 | 2009.03.09 at 07:54 PM

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