ぼくとルークの一週間と一日 (ダイアナ・ウィン・ジョーンズ)
『ぼくとルークの一週間と一日』
ダイアナ・ウィン・ジョーンズ 著 大友香奈子 訳 創元ブックランド 刊
両親を亡くして大おじの一家に引き取られたデイヴィッドは、ことあるごとに恩着せがましく感謝を要求する親戚たちにうんざりしていた。
そんな生活にとうとう我慢ができなくなったある日、デイヴィッドは彼らに呪いをかけようと思い立ち、でたらめな文句を唱えてみたところ、地面が揺れて塀が崩れ、ルークと名乗る奇妙な少年が現れた。
彼が現れてからのデイヴィッドの生活はおかしな形にゆがみはじめ、やがてルークを追う者たちとも関わってしまうことになり……。
ダイアナ・ウィン・ジョーンズの初期作品。
下敷きになっているのが北欧神話で一週間とくれば、神話を御存知で察しの良い方ならすぐにルークの正体や次々出てくる人物の見当もつくかと思います。ここで語るのも無粋なのでその辺は割愛。
物語自体もさほど長くなく、テンポの良い会話と展開の面白さでどんどん読ませてしまうタイプなので、するっと読了できてしまいました。
ただ、厭な人の書きっぷりが巧みだったり(笑)、人間世界と神々の世界が交わるあたりの雰囲気はきちんとしたファンタジーの迫力を持っていてとても読み応えがありましたし、デイヴィッドとルークの置かれている状況をリンクさせていたり、出てくる人が見た目通りの存在ではないことが示されるあたりや、大きな存在に対してもひるむことなくフェアプレイの精神を要求する主人公の力強さなど、ジョーンズ作品の魅力は当然のことながらここにも込められていると思います。
ジョーンズ作品にしてはかなり読みやすいかと思いますので、入門篇に良いかもしれません。
北欧神話好きにもとりあえずお薦め。



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