ブランディングズ城は荒れ模様 (P・G・ウッドハウス)
![]() | ブランディングズ城は荒れ模様 (ウッドハウス・スペシャル) P・G・ウッドハウス 著 森村 たまき 訳 国書刊行会 2009-02-25 |
『ブランディングズ城の夏の稲妻』(→感想)の後日譚と云いますか、ほぼ直後の話。
前作で巻き起こった事件はひとまず収束しますが、その後にまた同じ様な出来事が巻き起こります。
要はギャラハッド閣下の回顧録とロニーとスーの結婚話をめぐるドタバタがメインですな。
故に、エムズワース卿は愛豚エンプレスのことで苦悩しまくり(笑)、若き恋人同士はまたしても試練にさらされ、豪快なる女傑たちと老練なる紳士たちは手を結び、ブランディングズ城にはまたしても不吉な嵐が吹き荒れることになります。今回なかなかうまいこと立ち回っているピルビーム探偵の暗躍っぷりにもハラハラ(笑)。
前作と殆ど同じノリと展開なのですが、飽きてしまうかという心配は御無用です。
テンポ良く進む物語と丁々発止のやりとりを楽しみつつ読んでいると、こんがらがった話がどんどん大団円まで引っ張られていきます。やっぱりこのシリーズは楽しいです!
相変わらずぼんやりゆったりなエムズワース卿と恐るべき妹たち、粋で素敵なギャラハッド閣下に再会できたのは嬉しいなぁ。
あとは何と云っても執事のビーチですね!
職務に忠実なところと、閣下の原稿を読んで盛り上がっちゃうお茶目さん振りがキュートでした。
今回出てきたキャラクターでは、ギャリー閣下の回想録出版で巨万の富を手に入れようと息巻く出版社社主のティルベリー卿に、のらくらでぼんくらな気のいいお坊ちゃんのモンティ・ボドキン君がいい味出してましたね。
しかし、どうして皆こんがらがった話をますますややこしくするのが得意なのか。
まあ、そこが面白くて堪らない理由なんですがね(笑)。
エムズワース卿ものの長篇で一番美味しい所を持っていくのって、実はギャリー閣下なのではないかと前作を読んだ際に思いましたが、この作品でもやっぱりそうでした。
ロニーに説教するシーンが素敵でしたよ。閣下本当に恰好良いな!!
閣下ファンの方はどうぞ御存分に彼の魅力を堪能なさって下さい!!(って自分もそうですけど)
エムズワース卿の魅力はやはり短篇集の方が良く出ていると思いますので、ふんわりおじいちゃんがお好みの方は文春版の短篇集をどうぞ~。
<ウッドハウス作品感想>
■国書刊行会版
ジーヴスもの。
『比類なきジーヴス』
『よしきた、ジーヴス』
『それゆけ、ジーヴス』
『ウースター家の掟』
『でかした、ジーヴス』
『サンキュー、ジーヴス』
『ジーヴスと朝のよろこび』
『ジーヴスと恋の季節』
エムズワース卿もの。
『ブランディングズ城の夏の稲妻』
短篇集。
『エッグ氏、ビーン氏、クランペット氏』
■文藝春秋社版
『ジーヴズの事件簿』
『エムズワース卿の受難録』
『マリナー氏の冒険譚』
『ユークリッジの商売道』



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